今回のオンライン集団討論の参加者は7名でした。オンライン集団討論の内容はこちらになります。
模擬集団討論は2回実施しました。1回目は、練習問題で、事前にテーマをお送りしており、回答等はそれぞれが考えをまとめた状態で参加をしていただきました。
そのため、当日、セミナーの中で発表したテーマの集団討論についての報告を致します。
参加者は7名。(21歳から36歳) 討論の制限時間は35分。発表は2分。
オンライン集団討論の様子は、こちらの動画をご覧くださいませ。
今回の討論のテーマとの討論内容について
集団討論は、このような賛否を問う場合、賛成、反対は合否に関係がありません。
また、素晴らしい施策の提案や、独自の意見の有無も、合否にはほとんど関係ありません。
では、なにを見るのでしょうか?
初めて一緒になった、お互いを知らないメンバーが、ひとつのテーマに沿って時間内に結論を出すのですから、以下の3つが重要なポイントです。
- 積極性(目的の達成のために発言が出来るか)
- 論理的に自分の考えを伝える力
- 他者との関わり方(傾聴を含め、社会人としてコミュニケーションが取れるか)
集団討論として良い討論が出来たかどうか、というと結論としては残念ながら不十分で失敗だと言えます。
今回のテーマは賛成か反対か、でしたので、最終結論を出すときは数で決める事になります。(多数決を悩む必要はありません)
5月19日は7名の方が最初に出した意見は、賛成が4、反対が3でした。
車しか移動の足が無い地域では、市民生活に影響が大きいので、賛成派も特例を設ける事に反対はありませんでした。
討論で全員が共通していたのは、交通の便の悪い地域の市民をどうやってフォローするか、また、運転者の技術の衰えや、健康リスクをカバーするための仕組み作りが必要だ、という事でした。
発言内容は、状況による特例や、教習所での技能チェック、医者の診断、またはコミュニティバスやミニカーなど運転者の資格の確認を定期的に実施し、不適格者の運転を防ぐという内容に集中しました。
支援が年齢制限をしなかった場合、した場合の、メリットとデメリットのしっかりした検証が不十分のまま最初の4対3のまま、結論としていました。
今回に限らず、集団討論は、よく討論をし(意見を出して、賛成も反対も、その理由を理解し妥協点も見出しながら)、最後にもう一度多数決をとるべきでした。
しかし、誰も疑問に思わなかったのではなく、意見が一巡した後にメンバーのおひとりが、「年齢制限をしなかった場合のデメリットや、その対策」が十分に話し合われていないと疑義を述べていたので、討論を深めるチャンスはあったわけです。
これは、司会者の責任が大きいですが、年齢制限に賛成をした方々は言い出したメンバー全員が積極的に主張をするべきだったと思います。
討論の結果は、年齢制限を90歳など高めに設定して・・・年齢制限には賛成というまとめでしたが、反対派の方が中心になって意見の出し合いをしていた状況を考えると結論と内容が合致していない不思議な討論だと言えます。90歳という年齢制限は限りなく妥協したように見えます。
90歳って、日本の平均寿命より上ですが、年齢制限って言えるのでしょうか?
(もしも、こういう法案が国会に出されたら、骨抜き法案と言われそう)
賛成でも反対でも、その結論を出した時のメリット、デメリット(リスク)を現状の世の中の出来事も踏まえて、洗い出す事が最初にすべき事です。
論文と同様に、(背景)現状把握→問題点/原因→対策という流れの問題点/原因の検討が足りなかった事が、討論全体のレベルが上がらなかった原因です。
次に、集団討論に参加される場合は、もしかしたら選考の本番かもしれませんが討論の中で、話の流れをよく見て、これが欠けていると感じたら、勇気を出して発言をしていきましょう。
参加者個別のフィードバックについて
良かった点
- 他の方の意見をしっかり聞いたうえで「〇○さんがおっしゃっていたように」など、同じ意見でも臆さずに発言をしていた。
- 練習時に指摘した表情がこわばって怖い・・点が2回目は改善していました。穏やかな表情は好感が持てます。
- 司会者が全員の意見を聞く事を意識してた。「〇○さん、いかがですか?」など
改善点
- 論点を明確にせずに、(疑義を述べた人がいたにもかかわらず)中途半端に結論を出した。
- 積極性が足りない。自ら発言するという行動がなかった(全員ではありません)
- 最初に、名前を名乗って挨拶をする、という当たり前の事が忘れられた。いきなり持論を述べていた。
- 司会者を積極的にフォローするという方が少なかった。(司会者が慣れていなかったり、困っていたら、気が付いた時点でフォローをしましょう。)
司会について
司会は慣れていないと、ハイリスクです。しかし、このような模擬の集団討論では、むしろ、やっておくほうが良いです。
見た目で、年齢が上と判る場合は、周囲から司会をお願いされる事が多く、また、個人面接で「なぜ、司会をしなかったのですか?」と突っ込まれる事があります。ですから、失敗は承知で、トライする、というのが正しい対策です。
今回は2回の集団討論で、お二人がトライしました。そういう積極性は評価されます。
司会になったら、やるべき事、注意があります。
- 討論の制限時間内でまとめが出来るように、ざっくりと時間割を作る。 各人の意見出し10分、自由討論15分、結論とまとめ10分、、などです。
- 司会の役割に徹し、自分が中心になって発言時間を独占しないこと。(みんなを置き去りにし、暴走しているように見えたら司会をやる意味がありません)。従って、このテーマなら発言したいことがたくさんある!、という場合は、司会は避けるのも手です。(そして司会をフォローする)
- 意見が出そろったら、一度、そこまでの内容のまとめと論点を明確にし、「ここからは、この点を中心に話し合いましょう。」と全員の認識を揃えて承諾を得る。
- 発言が少ない人には、意識的に、話を振ったり、意見を求める。
- メンバー全員の顔を見ながら、話す。(皆の表情をしっかりと見れば、討論の方向に不満があるなど、気が付くことが多い)
タイムキーパーについて
時計の代わりに、何分です、、と伝えるだけなら、タイムキーパーは必要ありませんし、評価もプラスにならないです。 司会者が最初に時間割を決めた場合は、その節目の3分とか5分前、または、ちょうど半分まで来た時に、アラートを出したりすると良いですね。時計ばかり見ていると自分の意見を言う事が疎かになる事があるので、このテーマは得意、だと思うような場合は、わざわざ手を上げてまでやる必要は無いと思います。
書記やまとめ役(発表者)について
意見をまとめて発表するという事で、より注意深く全員の話を聞いていたと思いますが、司会者をフォローして、「ここまでの意見のまとめと論点」について、話されると評価は上がります。自分だけがまとめて理解するのではなく、周囲の理解を確認する、共有する意味で途中経過があると全員が納得した討論に近づきます。
集団討論に入る前からの過ごしかたから見られている事や、討論に参加することの大切さを知ることができたのが大きいです。
自分の発言無しで討論が順調に進んでいる場合、無理に発言し場を乱してしまうリスクを恐れていました。
しかし、気になった点がある場合は指摘するのも、討論をより充実させる上では必ずしも悪いことではないのか、とも思いました。
まだ集団討論への自信を持つまでには至りませんが、今回の練習を通じて気付いたこともあるため、今後に活かしたいと思います。
集団討論が苦手なため緊張していたのですが、私だけでなく他の方も緊張されているのだなと感じたため、次回からはもう少し余裕を持って臨めるかなと思いました
次回の開催について
オンライン集団討論は、毎月1回開催しています。
公務員面接の達人の受講生向けに開催していますが、枠が空いている場合に限り、一般募集も行っております。
集団討論は、なかなか練習の場ありませんが、場の雰囲気に慣れておくためにも、練習しておくことが必要だと思います。