公務員面接試験で既卒/アルバイトのライバルは新卒ではありません!
公務員の面接試験は、新卒も既卒/アルバイト経験者も同じ枠の中で選考されます。
しかしながら、既卒の場合は、同じ年齢の職員と比較されるので選考基準は同じではありません。
新卒の場合は、就業経験がありませんので、民間の新卒採用と同じくポテンシャルだけが面接のポイントとなり、将来、この方は活躍できるであろうという部分を見られています。
既卒/アルバイトの場合は、当然ながら、ポテンシャルだけではなく、同じ年齢の職員の方と比較されることになります。
たとえ、新卒の方と一緒に面接をされたとしても、見られているポイントは全く違います。
既卒/アルバイトの方は、卒業後、就職していないため、年齢のわりに成長が小さく見えがちです。
従って、面接官の目線から見ると、新卒より年齢を重ねている「既卒のあなた」をわざわざとる理由がどこにあるでしょうか?
そして、同じ年齢の職員と比較した場合、職業経験がない分、見劣りしてしまうのです。
しかし、カバーが出来ない事はありません。卒業後、何年もアルバイトであっても、「成長」は出来ます。
既卒/アルバイトで就職されていない方が新卒と同じ対策で学生時代の事だけをアピールしても、あまり意味がありません。
もしも、卒業して半年を過ぎていても勉強だけに専念している場合は、まずは、毎日でなくても、どんなことでも良いので、仕事をすることです。
仕事をする事は、親に頼らず少しでも経済的に自立しようとする姿勢があると見られます。
仕事をするということは、責任を伴う経験を積めるということです。ボランティアも報酬が無いとしても責任はありますね。
勉強だけして漠然と過ごすのではなく、世の中に出て、仕事をすることで、対人関係を学んだり、仕事のやり方を学んだり、目標を立てて、実行する、そのあたりを面接官に訴えることが、就職した社会人に劣らず既卒/アルバイトの場合、合格へのポイントになるのです。
知識の習得だけでは、社会性は身に付きません。
卒業してからずっと机にだけ向かっていて、ヒューマンスキルは開発されるでしょうか?
アルバイト、派遣、ボランティアであれ、社会にどれだけ接しているかが大切です。
すでにアルバイトや短期派遣などをやってきた方は、自信を持ってください。無駄な経験はひとつもありません。
その経験には宝が埋まっています。
しかし、その宝も自分で気がつかなければ、宝の持ち腐れですね。 気がついて、自分の頭の中で概念化して、初めて応用や再現性が生まれます。
大切な事は、卒業後も成長しているという姿を見せることです。
もしかしたら、昨年落ちたところに、また応募する方もいらっしゃると思います。
昨年落ちた理由というのは、面接シートには書かれてはいませんが、面接官は覚えている場合があります。
「去年も彼は面接に来たな。たしか、こんな理由で落としたはずだ。あれから彼は何を学んだのだろうか。この1年間で成長しているのだろうか?」
といった視点でみられている可能性があります。
しかしながら、この1年間、勉強だけしていて、社会人としての成長が、まったく見られなかった場合、合格できると思いますか?
仕事で得た学びを面接で話していくことがとても重要になります。
特に大事なのはここ数年(3年から5年)です。
現時点のあなたと、これからあなたがどうなっていくだろうか、採用後の「伸びしろ」を面接官は知りたいのです。
予備校では、面接の際に「個人的な事情は言うな」と教えているところが多いのですが、それは新卒向けの面接対策です。
既卒/アルバイト経験者の場合は、明確な理由を話す必要があります。
この質問は、面接で聞かれることが多いので、既卒/アルバイト経験者の方は勘違いしないように気を付けてください。
既卒/アルバイト経験者の場合、なぜ、就職せずに、そこまで公務員になるのかといった理由を明確に話すことが重要です。
なぜならば、数年の間、アルバイトを続けている方もいらっしゃると思いますが、公務員を目指す個人的な理由を話さなければ、「安定性を求め、民間から逃げて公務員を目指しているのではないか」と思われてしまう可能性があるからです。
公務員の面接官に、このように思われてしまった場合、あなたは100%面接で不合格になります。
既卒/アルバイト経験者の場合は、個人的な理由も志望動機がないとおかしいのです。
「個人的な事情は言うな」といった指導方法は新卒向けの面接対策であるため、通用しないということを理解しておきましょう。
また、書店で数多く販売されている志望動機の書き方も、新卒向けですので、書いてある内容を真に受けないように注意してください。
なぜ、就職をせずに公務員を目指すのか、人それぞれ、志望動機が大きく異なります。
既卒/アルバイト経験者のあなたは「就職をせずに目指すことになった、あなただけの志望動機」を作成する必要があるのです。
年齢に応じて合格の基準は異なります
25歳でカフェでアルバイトをしていた方と、29歳で司法試験から公務員受験に切り替えた方を同じ基準で判断しません
その経歴に期待するものが違うのですから、志望動機も自己PRも当然違うはずです。
すでに職員になっている入職3年(25歳)と入職7年(29歳)の合否の基準が違うからです。
業務の経験はゼロでも、ここまでは身に着けていて欲しい、こういう回答が欲しい、という差が判るのは面接経験者だからではなく、人事評価制度の視点があるからです。
私は人事制度構築のコンサルタントとして、「人事制度」の評価システムの構築、開発にも携わっていました。
新人から幹部までの考え方や行動、業績への貢献度、会社ビジョンの理解度や体現などから評価をする(採点システム)事を教える側でした。
また、人事制度構築コンサルの経験から、幅広い社会人、例えば、25歳ならこのレベルの自己PRや経験や考え方、35歳ならこのレベルの自己PRや経験や考え方が合格には必要という物差しが、採用経験ではなく人事評価に基づいて知っているという点が、他の方との大きな違いであると考えています。
経験による感覚値だけでなく、人事評価制度の見地から合否の物差しを身に着けています。
公務員には人事制度はあります。自治体なら「人材育成基本方針」があり、どんな職員に育てるか、(要するに理想の職員像)があるので、採用時の基準もそれが基になっています。
公務員の面接対策を指導されている方で、人事で採用担当者だった人、公務員の面接官経験者はたくさんいらっしゃいますが、人事制度を構築する経験・レベルの人はほとんど見たことがありません。