「面接には慣れているつもりだった──」
そう語るのは、総務部門で現役の面接官も務める三島さん(仮名・29歳)。
特別区の経験者採用に2年連続でチャレンジし、2度目の挑戦で見事合格!
現職との両立、家族との時間の確保、そして面接での苦い経験を乗り越えてたどり着いた合格までの道のりをご紹介します。
■ 面接官経験があだに…1年目の敗因とは?
「面接って、ある程度慣れていれば通ると思っていました。まさか自分が落ちるとは思ってなかったです。」
1年目の面接では、“伝えたいことが多すぎて話が長くなる”というクセが裏目に出てしまったといいます。
「あれもこれも言わないと伝わらないんじゃないかと不安で、つい話が長くなってしまって…。相手の表情から、“ちょっと長いな”と感じたのを覚えてます。」
■ 改善ポイントは「伝えすぎず、伝える」
2年目は、まず前回の面接を再現し、自分の発言の癖を徹底的に見直すところから始めた三島さん。
「現職の会議でも、発言は“面接対策のつもりで”短く要点を伝えるよう意識していました。」
“業務時間すらトレーニングに使う”という姿勢が、実力に直結していきます。
■ 想定問答は3月中に完成。だからこそできたブラッシュアップ

「早めに書き上げたことで、どこを短くすべきか、どう話すべきかに時間をかけられました。」
一度しっかりと書き出すことで、自分の材料を把握でき、後の調整もスムーズに進められたと言います。
■ リサーチと現場観察も徹底的に
「23区の取り組みがまとまっている“特別区職員ハンドブック”は毎年必ず読み込みます。」
さらに、東京新聞で各区の取り組みをチェックし、週末にはイベントに積極的に足を運びました。
「現場で働く職員の表情や振る舞いを観察することで、実感を持って“この仕事がしたい”と思えるようになりました。」
■ 地域との関わりは、自然体で
「台風の後、自宅周辺の側溝を掃除しました。合格のためというより、自分で地域に関わる体験がしたかったんです。」
声かけの難しさや、ちょっとした行動が“地域づくり”につながることを、自身の行動を通して実感していたそうです。
■ 面接本番、「想定どおり」でも深さが違った
今年の面接は昨年とは雰囲気が異なり、突っ込まれる場面が多かったとのこと。
「“なぜ都庁ではダメなのか?”“行政に物申すとしたら?”など、角度のある質問が増えていた印象です。」
特に印象に残っているのは、最後にかけられた面接官からの一言。
「“2年連続でここに来るあなたの姿から、十分に熱意は伝わりました”と言われたときは、心からうれしかったですね。」
■ 社会人受験生へのメッセージ
「現職が忙しい人ほど、今の仕事に真剣に向き合うことが一番の面接対策になると思います。」
「他の受験者がライバルではなく、“自治体で既に働いている同世代の職員”と同じレベルで語れるかどうかを常に意識していました。」
「社会人経験で得た思考や責任感を、自信に変えていけば、きっと道は開けると思います。」
仕事を続けながら、公務員試験に本気で挑むのは簡単なことではありません。
それでも「やるべきことをやる」「改善点を行動で修正する」──三島さんの姿勢は、多くの受験生にとって大きなヒントになるはずです。
📘 合格までの取り組みは、インタビュー動画でも紹介しています。