▶この記事で得られるヒント
・現職の公務員が別の自治体を受験する際に問われやすいポイント
・深掘り面接で“答えに詰まりそうな場面”をどう乗り越えるか
・「伝えたつもり」から「届く表現」へ変えるための工夫
「このままでいいのか」──30歳、公務員の転職を決めた理由
佐藤さん(仮名・30歳)は、新卒から勤務していた市役所を離れ、かねてより志望していた別の自治体への転職を決意しました。
「今の職場が嫌だったわけじゃないんです。でも、ずっと気になっていた自治体の採用情報を見たとき、“やっぱり行きたい”って思いました」
過去にも数回挑戦していたものの、面接が壁となり合格には至らなかったといいます。
【過去の失敗】伝えたい思いが“空回り”していた
「筆記試験は毎回通過していたのに、面接で落ち続けた理由がわからなかったんです」
民間企業であれば通用する話も、公務員同士の転職面接では通じにくい。
特に「なぜ現職を離れてまで?」という問いは、答えが浅いとすぐに見抜かれてしまうのだと痛感したと語ります。
「“言葉は丁寧なのに、背景が薄い”と見抜かれた気がします」
【改善ポイント】伝え方の“質”を底上げする
面接直前に受けたサポート講座で、佐藤さんは自己PRに対して「大人の言葉に見えない」と指摘されます。
「経験があるのに、それが“考え抜かれた言葉”になっていなかったんだと思います」
以降は、体験談だけでなく「なぜそれをやったのか」「何を考えていたか」を一緒に伝えることを意識。
伝えたい内容に“思考の裏付け”を加えるようになりました。
【自治体理解】「制度」ではなく「人」から入った

佐藤さんは、志望先の自治体HPや施策資料だけでなく、職員インタビューやSNS発信から“現場の空気”を掴む工夫をしていました。
「方針だけじゃなくて、働いてる人たちが何を大事にしてるかを見るようにしてました」
この視点が、志望理由に深みを持たせる大きな鍵になったとのことです。
【面接本番】想定外の展開にも動じなかった理由
本番の面接では、想定していた内容とは異なる“ケース対応”の深掘りが続きました。
「“こう対応します”と答えると、“ではこうなったら?”とすぐ次の展開を聞かれて、頭が追いつかなくなりそうでした」
一瞬詰まりかけたものの、「それでも考え続けた姿勢」を評価されたのではと振り返ります。
「最後の答えはベストじゃなかったかもしれない。でも、“逃げずに話そう”という気持ちは伝わったと思います」
【誠実さと粘りが通じた】“正解”より“向き合い方”が問われた面接
面接官の狙いは“完璧な答え”ではなく、考える姿勢そのもの。
答えがすぐ出ない状況でも、言葉を探しながら向き合ったことで、好印象を残すことができました。
【佐藤さんから読者へのひとこと】
「公務員同士の転職は、“そこまで言わなきゃ伝わらないのか”ってくらい、深さが求められます」
「でも、カッコつけすぎず、正直な動機を丁寧に言葉にできれば、きっと伝わります」
「あきらめずに自分の課題と向き合うこと。それが、一番の突破力になると思います」
佐藤さんのように、過去の不合格を糧にして、自分の話し方や考え方を深く掘り下げた姿勢は、公務員転職の成功に欠かせない要素です。
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